耽美好きによる、耽美好きのための、耽美な残酷劇『グランギニョル』〜美とは説得力〜
萩尾望都が好きです。
池田理代子が好きです。
皆川博子が好きです。
耽美なものが、大好きです。
美しいものこそ正義。
そんなわたしのTRUMPシリーズ初体験となった『グランギニョル』。
耽美極まってました。
なんで今まで見てなかったんだろうって後悔したけど、単体でもめちゃくちゃ楽しめたし、今後深い部分を知っていくのも楽しみです。
あまりに良質な耽美体験だったので、TRUMPシリーズ初見の人間を感想を書いていこうと思います。
※ガンガンネタバレします〜!!
主なストーリーは公式サイトをどうぞ→http://grandguignol.westage.jp/pages/921949/story
とにかくOPに全てを持っていかれました。
繭期とかよくわからんしついていけるかなーとふわっとしていた脳を、一気にグランギニョルという世界に引き込んでいかれる感じ。
殺陣はもうただただすごい。
剣ぶん回しながら「ひれ伏せ、下賎なものどもよ」っていう染谷さんとか…夢に見たよね…
そして東くんの殺陣もとてもかっこよかった。最初扇使ってんの超グッときた!すぐ素手になっちゃってたけどそれもよかったなー
そもそも春林って役がめちゃくちゃ美味しいのでは、と思いました。人間とヴァンプのハーフのポジティブダンピールっていう設定も熱いのに、性格もなんとなく飄々としてるし加えて超絶スタイルだし…
(でもいい声すぎて若干麒麟の川島に聞こえることがあるという。褒めてます。ええ声俳優集めてトークしたらいいんじゃないかな)
物語として、会場が一番感極まってるなあと思ったのはアンリとオズとキキが別れていくシーンでした。
よくわからん猟奇的な3人だな…と思っていたらその中にも色々な葛藤があって見ていて辛かったです。無理矢理強くされてしまった3人なのに、なぜかバルラハへの恨みとか言わないんですよね。少なからずバルラハへの愛情があるってことなんでしょうか…
ちなみにキャラクターとして気に入ってるのはフリーダとジャック・ブレア。
自分の意思をしっかり持ってる美女に昔から弱くて… ダリの不貞(結局違うけど)さえもダリのためなら受け入れようとする。どんだけいい女だよ!!
ただダリを盲目的に信じて付き随うのではなく、自分の中の筋のようなものがダリと同じで、同じ正義を持っている女性なんだなと。めちゃくちゃ素敵。
ジャック・ブレアはもう…ただただ好き(笑)
服部くんオカマ声うますぎ!憎めないし愛しいからブレア最高です。
そして何よりも耽美だったのが、三浦涼介さん演じるゲルハルト・フラ。
ショーシャンクといい黒執事といい、わたしの見るりょんくんは大概死ぬんですが今回はなんとか生き残りました。(中盤まで死ぬと信じて疑わなかった)
「僕は君であり、君は僕だ」
これ以上に心踊る台詞はないし、心踊る関係もないな…
ダリとゲルハルト、まるで陽と陰な2人。しかし光無くしては影はないように、共依存的な危うさも感じました。だから2人で生き残ったのかなと。
そして陽と陰な2人は、男性的、女性的といった対照も持っていたように思います。ゲルハルトがはける時など、ゆったりと歩く姿勢とか動きがとても女性らしいな…と思っていたので、妻のマリアがアンジェリコを愛せないと言うのを聞いた時、ゲルハルトが性的に不能であることはなんとなく想像できました。
自分は貴族で守るべきものもあるのに、中身は空虚で男としても完全でないゲルハルト。
内面にパラドクスを抱えたこの役柄に合うのは三浦涼介さんしかいない!!
なんというか、「美」って物語に説得力を与えることもできるんだな…無敵じゃん…
もちろん演技も素晴らしかったですが、ビスクドールのようなお顔立ちがもう…虚空に向かって両手を伸ばすとこなんて彫像かと思いました。
もちろん他のキャストの方も素晴らしく、めちゃくちゃ美しい残酷劇を見せていただきました。
染谷さんとりょんくんのダブル主演とか聞いたときから「美しすぎてしぬ」とか言ってたけど予想を上回る美しさでした。
TRUMPシリーズ制覇してがっつりハマりたいです。耽美厨に磨きがかかってしまう。